KORAN VOICE
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音楽は子どもとのふれあいのツール。音楽の力を信じて楽しもう
保育の現場で音楽は、生きたふれあいのツールの一つだと思うんです。CDだったら間違わないし完璧かも知れないけど、子どもたちが元気がないな、集中力がないなと思ったときに、顔を合わせながら弾き方や歌い方やテンポを変えるのは生身の人間じゃないと無理ですよね。
それに、音楽によって保育活動の幅も広がります。ピアノに限らずアカペラでもいいんですよ。嫌いな食べ物をどうしても食べない子に「食べなさい」って言葉だけじゃなくて、「ハンバーグとブロッコリー♪」と歌ったらパクッて食べたりしますよね。そういう音楽の力を信じたいなと思います。
基本的には心から音楽を楽しい、美しいと思えることのほうが大事です。現場に出て「もっとやっておけばよかった」と思ったら、香蘭で作った土台をもとに勉強し続けたらいいんです。保育者がまず楽しまないと子どもには伝わらないから、音楽を楽しめる学生たちを育てていきたいなと思っています。
あきらめない指導、学び合える仲間
指導するときは、学生がなんでつまずいているのかその背景をわかりたいなと思いますし、学生に対してあきらめず信じることを大事にしています。私自身もそんなに練習が好きじゃなかったけど、先生たちに恵まれて、あきらめずに育ててくれたからいまだに音楽の道で仕事ができています。どんな学生にも可能性があるのであきらめずに指導しています。
よく例えるのは、登り坂道を自転車で立ちこぎしていて「進まん、進まん」と思っていても少しは進んでるし、足を離したらすぐにすーっと下っちゃう。ひと踏ん張りしたら爽快にこげるときがくるし、見えてくる景色も違ってくるから、それを信じてほしいし、「今が踏ん張り時」と声をかけています。
それに、最近は学生同士の教え合い、学び合いがあって、すごくいい傾向です。幼い頃からピアノを習っていて弾ける学生が初心者に教えていたり、弾けない人同士でも学び合っていたりするのを見ると微笑ましく思います。先生から学ぶだけじゃなく、学生同士の良い循環ができています。
可能性を信じて飛び込め!抜群の学びの環境が待っています
保育者をやれるかどうかで迷っている人は、できるかできないかじゃなくて、やろうと思うか、やりたくないと思うかを考えてみてください。私は学校の先生なんてできないと思っていたけど、やってみるかと思ってこの世界に足を踏み入れたので、やってみたいと思うなら挑戦する価値があると思います。
ピアノについては、覚悟さえあれば、熱心な先生ばかりだし、友達同士で助け合えるし、学ぶ環境が整っています。自分の可能性を信じて、やりたいと思ったらぜひ飛び込んできてほしい。一歩踏み出してほしいなと思います。
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保育学科 教授
黒木 知美
◎担当科目
「音楽Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ」「音楽表現研究」「保育内容Ⅴ 表現」
◎プロフィール
宮崎県生まれ、福岡県育ち。小学5年の時にコンクールで受賞しピアノの先生を志す。中学ではブラスバンド部でフルートを担当。香蘭の附属幼稚園で音楽を教え始めたことをきっかけに、短大の非常勤講師から専任に。大学時代からミュージカルと歌舞伎に熱中し、東京や大阪にも日帰りで観劇に行く。