KORAN VOICE
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“調理×栄養”の知識の引き出し増やします。考える調理でスキルもアップ
調理の知識と、健康や栄養、体の知識を組み合わせて考えるのはなかなか難しいので、授業ではうまく絡めながら話すようにしています。たとえば、卵黄と酢と砂糖を入れて湯煎にかけることでマヨネーズ状になる日本料理の「黄身酢」は、油を使わないマヨネーズとして使えてポテトサラダとかも作れるんです。献立を考える際、油は使えない、でもマヨネーズを使いたいというときに、自分の中の引き出しにその知識があれば使えますよね。
また、“肉や魚に含まれるイノシン酸と、トマトや昆布に含まれるグルタミン酸をあわせると、旨味の相乗効果で旨味を強く感じ、減塩が可能ではないか”など、こういった知識を授業の中で話して、献立を立てる際の参考になればと考えています。
調理師は基本的に健康な人に向けて作るので、調味料も油も使ってもいいけど、栄養士が考えるのは、そういうのを使えないけどおいしい料理なので、授業で関連づけながら「これはこういう時に使うと役立つよ」と伝えて、学生たちの引き出しを増やしたいと常に思っています。
料理は、基本的な操作がわかっていれば、おいしく作れるんです。繊維に沿って切るのか、繊維に逆らって切るのか。炒めるのも野菜の水分を飛ばすためなら弱火でじっくり炒めて水分を飛ばし、油の香ばしさを付けるためならちょっと強めの火加減とか。なぜそうするのかを自分で考えながらやっているとできるようになります。だから、強火とか弱火とかで指示するのではなく、「鍋の中と相談して決めて」といい、卒業後に困らなくて良いように、自分で考えられる力がつくような指導をしています。
丸暗記ではなく、全部理屈を説明します。「なぜ、これをやるかわかりますか?」といつも学生に質問して考えるトレーニングをしています。
無農薬野菜を育て、食育も学べるキャンパス
おいしい病院食を作りたい、というのが私の最終目標です。そのために今、キャンパス内の体育館裏にある畑で無農薬の生ごみリサイクルの野菜作りをしています。リサイクル野菜は、たくさんの小動物や微生物が生ごみを食べて分解することで、野菜の肥料に変わり、栄養価が高く、生命力のある、害虫に強い野菜が育ちます。リサイクル野菜は市販の野菜よりも野菜自体の味も濃いので、味付けが薄くてもおいしい料理ができると思うんです。
また、香蘭では食育もやっているので、野菜の味が全然違うことを関係園の園児にも食べて知ってほしい。園児たちみんなに食べさせられるくらい野菜を作りたいなと思っています。
香蘭で学び、体を作る“食”の力を極めよう
栄養士の資格を取るのは楽ではないです。でも、食がみんなの体を作るので、おいしくて体のことも考えた食事を作れて、人々の命を食で守る、こんな素敵な仕事はないと思います。家族の健康を支えるために役立つのもいいですよね。
栄養士に興味があったらぜひ香蘭に来てください。調理の理論を一から丁寧に教えるので、調理が苦手な人でも料理を上手に作れるようになりますよ。
みんなで楽しく学びましょう。
【これからの時代は「調理のできる栄養士」 Vol.1を見る】
食物栄養学科 講師
青木 友紀子
◎担当科目
「基礎調理学実習」「実用調理学実習」「応用調理学実習」
◎プロフィール
奈良県出身。大学は食物栄養学科で学び、卒業後、調理師専門学校に進学。調理師専門学校に14年間勤務した後、病院に勤務。夫の転勤に伴い3年前から福岡に在住。フランス料理とお菓子が得意。
管理栄養士・調理師