KORAN VOICE
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“人生を変える”授業ってどんな授業？
学生が履修科目を決めるときに参考にするシラバスの「地域創生入門」のページには、「自分の人生を変えたい、新しい考え方を身に付けたい、一生の友人を見つけたいと思われる方、ぜひ一緒に活動しましょう」と呼びかける一文があります。その言葉通り、先生の講義をただ聴くだけの受け身の授業とは全く異なります。
受講できるのは１年生が対象で、中濱雄一郎先生が立ち上げたライフプランニング総合学科独自の学生組織「Koran Girls」に入りたい学生のみ。Koran Girlsの活動は、学内外で企画されたプログラムへ参加し、そこで課題をクリアするために、企業や地域社会で活躍できるスキルや知識を身に付けることが目的です。そのため、この授業ではKoran Girlsのクレド（行動指針）をよく理解して、様々なプロジェクトに参加することで経験値を増やし、アポの取り方、メール文の書き方などビジネスマナーについて実践を通して学んでいきます。各地域で活躍するために必要な情報収集の仕方や、リーダーシップやフォロワーシップなどグループ内での役割についての理解も深めていきます。
授業では毎回冒頭に、学生たち全員でクレドを唱和します。そして、学生たちが各自毎日書く「行動日誌」の前回提出分が中濱先生から返却され、今週分を回収します。返却された日誌には先生からのコメントが書き込まれています。学生１人１人が先生からアドバイスをもらえて、さらに学びへの意欲を高めていける仕組みになっています。
模造紙に付箋をペタペタ…楽しくブレストを実践
７月下旬に行われた授業では、西日本鉄道株式会社他九州と下関にあるバス会社47社との連携授業、九州のバス乗り放題乗車券「SUNQパス」を利用した２泊３日の女子旅を企画するグループワークを実施しました。
５人前後の４つのチームに分かれ、チームごとに机をくっつけて作業がスタート。それぞれのチームに九州内の各県が割り振られていて、SUNQパスを使って女子が行ってみたい場所を探します。中濱先生は「レジャースポットでも観光スポットでも、食べ物屋さん、お土産屋さんでもいいです。どこにみなさんが行きたいかで旅を決定します。主なターゲットはSUNQパスを利用する女子大生をイメージしてください」と説明しました。
このときに用いられたのが、たくさんの情報を収集して整理し、新たなアイディアを生み出すときに役立つ「KJ法」という手法。模造紙を置いて、１人１人が付箋に行きたい場所を書いて貼っていき、それをグループ化することで情報を整理していきます。
「自分だったらここに行きたいというのをどんどん出してください。行きたい理由もみんなにきちんと伝えて、『ここいいよね』というのを話し合ってください」（中濱先生）
それぞれのチームでは模造紙に県の形を書いたり、スマホを駆使して旅行サイトやインスタグラムなどSNSで情報収集を始めました。食べログなどグルメサイトもフル活用し、グーグルマップの地図やレビューからも情報を得ていました。
熊本県を担当するチームでは、「熊本城は？」「海が見える宿がいいね」「朝ごはんおいしそう！」「いいね、いいね」などと楽しそうに話し合いながら、それぞれが行きたい場所を付箋に書き込み、模造紙に貼っていきました。
グループワークで鍛える社会で役立つスキル
各チームで話し合いの進行役となるファシリテーターを中濱先生が指名し、その人が中心となって議論を進めます。先生は「ファシリテーターの方はみんなが意見を出すように、偏らないように全体を見てください」とアドバイスします。
チームによって進め方はそれぞれで、みんなでワイワイとアイディアを出し合いながら情報を集めて付箋に書いていくチーム、ひとまず各自が黙々と調べものをしてから話し合いを始めるチームなどさまざまです。
先生は各チームを見て回りながら、「後で県の北部、南部などでグループ化するときにどのへんの地域わかるように住所とかも調べとかないかんよ」などと効率的なやり方を指導していました。
こうしたグループワークを通じてブレインストーミングの方法、グループでの役割、地域のことを知るための情報収集の仕方などを経験。１年生のうちから実践を重ねることで、思考力の土台が培われ、社会に出てから役立つ多くのスキルが鍛えられていきます。
ライフプランニング総合学科 教授、学生部長
中濵 雄一郎先生
福岡県北九州市出身。担当科目は「地域創生入門」「パーソナルファイナンス」「証券外務員Ⅰ、Ⅱ」他。サッカー、読書、映画鑑賞、グルメ探しなど多趣味。