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大学と短期大学の違いについて説明します。当たり前ですが、この2つの違いは授業カリキュラムが4年間か2年間かという点です。大学の方が2年間長い分、より高度で専門的な内容を学ぶことができます。実際に文部科学省のホームページを見てみると、大学は「学術の中心として、広く知識を授けるとともに、深く専門の学芸を教授研究し、知的、道徳的及び応用的能力を展開させること」と書いており、より広く、深い専門知識を身に着けることができる機関であることが分かります。また大学では専門科目を時間をかけて深く広く学びます。先ほど「短大は4年制大学を2年間に凝縮したもの」と書きましたが、短期大学は大学の半分しか時間がありませんので、大学で学ぶ内容よりも内容が狭く浅くなってしまいます。専門知識をしっかりと学びたいという人は大学で学ぶ方が良いかと思います。
次に大学ではなく短期大学で学ぶ利点について説明します。短期大学が持つ利点は、なんといっても2年間なので学費が安く済むという点です。栄養士養成施設では、4年生大学が約450万、短期大学が約250万位なので、およそ200万円の違いがあります。また、4年生大学で3,4年生が学んでいる期間は、短期大学生は卒業して働いて給料をもらっているので、学費以外の面でも金銭的にかなり利点があります。個人的には栄養士を資格だけを目指すのであれば、わざわざ4年生大学に入学する必要はないと思っています。ただし、管理栄養士の免許を取得したいという人は、大学を選んだ方が良いと思います。次にその理由を説明します。
4年生大学には栄養士養成施設だけではなく、管理栄養士養成施設もあります。下の図をご覧ください。これは栄養士資格と管理栄養士免許をとるために必要な過程を示したものです。栄養士は栄養士養成施設か管理栄養士養成施設で指定の単位を取得して卒業すると取得できる資格ですが、管理栄養士は国家試験に合格して初めて取得できる免許です。管理栄養士は管理栄養士養成施設を卒業すれば試験を受けることができますが、そうでない場合は養成施設での修業期間+栄養士として働く実務期間で5年間必要です。この差は非常に大きく、管理栄養士養成施設を卒業した人の管理栄養士は国家試験の合格率は、それ以外の場合と比較して4~5倍の差が出てきます。将来管理栄養士を取得したいと思っている人は管理栄養士養成施設を目指した方が良いかと思います。一つ注意する点としては、栄養士を取得できる大学が、全て管理栄養士養成施設ではないという点です。自分の希望する大学が管理栄養士養成施設かどうかは調べておいてください。
図 栄養士と管理栄養士の取得過程
公益社団法人 日本栄養士会のホームページから抜粋(https://www.dietitian.or.jp/students/dietitian/)
短期大学や専門学校を卒業した人が実務経験を経ずに管理栄養士を取得する方法として、管理栄養士養成施設に編入学するという方法があります。編入学とは短期大学や専門学校から4年生大学へ入学することで、栄養士養成施設の短期大学や専門学校から管理栄養士養成施設の4年生大学へ編入学した場合、短期大学や専門学校で取得した単位の一部を互換することができるため、3年次から始めることができます。その後2年間所定の単位を取得して卒業することで、卒業後すぐに管理栄養士の国家試験を受けることができます。短期大学や専門学校で勉強している中で、管理栄養士を取りたいと思った人は、編入学も視野に入れてみて下さい。ただし、編入学についてはすべての大学が行っているわけではなく、募集定員も数名である場合が多いので、しっかりと準備しておく必要があります。
ここまでの点をまとめると
■ 栄養士資格は通信教育で取得できない
■ 短期大学では一般教養と専門分野を学ぶ
■ 専門学校では専門分野に特化した内容を学ぶ
■ 大学ではより広く、深い専門知識を学ぶ
■ 栄養士資格のみを目指すのであれば短期大学か専門学校がおすすめ
■ 管理栄養士免許取得を目指すのであれば、大学か編入学がおすすめ
これまで述べてきた通り、通信教育では栄養士を取得できません。しかし、食に関わる多くの資格はユーキャンの通信講座で取得できます。ユーキャンで取得できる食に関する資格は以下のようなものがあります。
■ 食生活アドバイザー
■ 薬膳コーディネーター
■ 食育実践プランナー
■ 調理師
■ 野菜スペシャリスト
■ 離乳食・幼児食コーディネーター
■ スポーツ栄養プランナー
■ 発酵食品ソムリエ
■ 生活習慣病予防プランナー
■ はじめての家庭料理
■ スイーツコンシェルジュ
■ UCC匠
■ 作りおき料理コーディネーター
これらの資格は国家資格である栄養士と異なり民間の資格ですが、食に関する幅広い知識を必要とする栄養士資格と異なり、ある分野に特化した知識を身に着けることができる資格です。例えば「離乳食・幼児食コーディネーター」の資格を持つ栄養士であれば、乳幼児の栄養に詳しい栄養士、「スポーツ栄養プランナー」であれば、スポーツ栄養に詳しい栄養士というように、自分がどの分野に強い栄養士なのかをアピールすることができます。栄養士は他の医療資格とは異なり、傷病者だけではなく健康な人など幅広く対応できる資格ですが、その幅広さゆえに強みを伝えづらいという弱点もあるので、自分の強みを作るためにもこのような資格の勉強をするのも良いかもしれません。
栄養士の資格を取るためには、食べ物についてだけではなく人体の仕組みなど様々な勉強をしなくてはいけません。実際に学生の中には「こんなに化学や生物の授業があるとは思わなかった」という人がたくさんいます。しかし生きていくために不可欠な食や栄養を学ぶことで、自分の人生だけではなく他人の人生も豊かにすることができると思っています。まずは自分が興味のある食に関する資格にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。もし、食や栄養についてもっと学びたいと思ったら、大学・短期大学・専門学校に入学して、栄養士資格の取得を目指してみて下さい。