KORAN VOICE
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夏真っ盛り!皆さん、夏バテはしていませんか?
疲れが取れない、集中力がない、お腹の調子が悪い、食欲がない…そんな症状があれば、夏バテかも?
食欲が落ちてスタミナ不足になることも夏バテの原因の一つです。食生活を見直して、暑い夏を乗り切りましょう!
◎夏バテを防ぐ食生活のポイント!
① バランスのよい食事をとる
エネルギーの主な供給源は、炭水化物です。炭水化物とは、主食として食べるご飯、パン、麺類などや、一部の野菜やイモ類などに豊富に含まれます。炭水化物が不足するとエネルギーが不足し、疲れやすくなります。
たんぱく質は、体を構成する細胞の主成分で、全身に酸素を運んだり鉄を貯蔵する働きもあります。たんぱく質や鉄分が不足すると貧血でエネルギーが全身の細胞に運べなくなります。
野菜には、ビタミン・ミネラルが豊富に含まれています。ビタミン・ミネラルには体の調子を整える働きがあります。食欲がなくても、1日3食、少量ずつでも栄養バランスの取れた食事を心がけましょう。
② ビタミンB1を補う
ビタミンB1は、炭水化物をエネルギーに変えるために欠かせないビタミンです。ビタミンB1を豊富に含む食材は、豚肉です。脂身より赤身部分に多く含まれます。魚介類では、ウナギやタラコ、イクラなどに多く含まれます。穀類は、ぬかや胚芽に多く含まれるため、米の精白度が高くなるほどビタミンB1の含有量は、減ります。玄米には、精白米の約7倍のビタミンB1が含まれていますので、毎日の食事に玄米を取り入れてみてはいかがでしょうか。また、にら、にんにく、ねぎ、玉ねぎなどに含まれるアリシンは、ビタミンB1の吸収率を高めるため、一緒に摂ることがおすすめです。
③ ビタミンCを補う
ビタミンCは、強い抗酸化作用を持ちます。また、鉄の吸収をよくします。野菜や果物に豊富で、動物性食品にはほとんど含まれていません。一度にたくさん摂取しても体内には蓄積されず、排出されてしまいますので、毎食欠かさず補給するようにしましょう。
④ 夏野菜で熱のこもった体を冷やす
きゅうりやトマト・なす・ゴーヤなどの夏野菜は、水分やカリウムを多く含み、汗で不足しがちな水分の補給と、熱のこもった体を適度に冷やす効果があります。また、カリウムには、利尿作用があり、暑さでとり過ぎた水分を排泄し、体内の水分量を調節してくれます。
⑤ 食欲がないときの調理の工夫
にんにく・ニラ・生姜・しそなどの香味野菜や、とうがらし、カレーなどスパイスの刺激的な香りは食欲を増進します。また、クエン酸を含むレモンなどの柑橘類、梅干し、酢などは、食欲増進と疲労回復にも効果的です。
⑥ 冷たい物のとり過ぎに注意
冷たい物のとり過ぎは、胃腸を冷やし、消化機能を低下させ夏バテの原因になります。夏バテの予防には、温かい食べ物、例えばスープや味噌汁などを食べて、胃腸を冷やさないようにしましょう。
◎献立を考えるときのポイント!
バランスの良い食事を考えようとしても、実際どのように考えればよいか困ってしまう方も多いのではないでしょうか?実際の献立のたて方について、考えてみましょう。
① 「主食・主菜・副菜」をそろえる
主食は、ご飯、パン、麺などで、主に炭水化物の供給源です。主菜は、肉、魚、卵、乳製品、大豆、大豆製品など主に、たんぱく質や脂質の供給源です。副菜は、野菜、イモ類、豆類(大豆を除く)、キノコ類、海藻を主にしたビタミン・ミネラル、食物繊維の供給源です。その他、牛乳・乳製品はカルシウムの供給源となり、果物はビタミン・ミネラルを豊富に含む食材ですので、毎日とることがおすすめです。
② 「主食・主菜・副菜」の適量を守る
「主食・主菜・副菜」がそろっていても、それだけでバランスが良い食事とは言えません。量が少なければ、栄養素が確保できないため、それぞれの適量を知っておきましょう。そこで、1皿50g以上と考えておくと分かりやすいです。たとえば、味噌汁の場合は、具材に50g以上の野菜やイモ類、キノコ類などが入っていると、充分な副菜と言えます。主菜でいうと鶏卵1個(50g)の量が必要です。
次に、「主食・主菜・副菜」の比率です。「主食3:主菜1:副菜2」の割合で考える習慣をつけると、意外と簡単にバランスよい食事の献立が立てられるようになるのではないでしょうか。
③ 同じ種類を重ねない
主食・主菜は、1品ずつ。同時に2品以上食べると食べ過ぎです。例えば、ラーメンとチャーハンを同時に食べると、摂取エネルギーがオーバーしてしまします。
④ 同じ調理法を用いない
同じ献立の中に、炒め物が2品など、同じ調理法の料理が重なると油脂や塩分の摂り過ぎになり、味の変化も出にくくなります。焼く、炒める、煮る、ゆでるなど、様々な調理法を組み合わせましょう。
⑤ 同じ食材に偏らない
いつも同じような食材ばかり使っていると栄養が偏ってしまいます。食べ物は、多種類を適量とることで、食品のメリット、デメリットをうまく調整する効果があります。
食物栄養学科 講師
青木 友紀子先生
担当科目は「基礎調理学実習」「実用調理学実習」「応用調理学実習」。
奈良県出身。大学は食物栄養学科で学び、卒業後、調理師専門学校に進学。調理師専門学校に14年間勤務した後、病院に勤務。フランス料理とお菓子が得意。
管理栄養士・調理師