香蘭女子短期大学

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食物栄養学科

福岡を代表する「食のプロフェッショナル」企業の代表者講演会を開催

食物栄養学科では1、2年生を対象とした専門教育に係る催しとして、「トリゼンフーズ株式会社 代表取締役会長 河津 義博氏」をお迎えして、講演会を開催しました。

「トリゼンフーズ」といえば、ブランド鶏の『華味鶏』が有名ですが、今回は、鶏の水炊きのルーツの伝承、『華味鶏』誕生の背景、鶏糞問題の解決、ミャンマーでの慈善事業についてのお話を伺いました。

鶏の水炊きは、福岡の郷土料理とも言える食文化で、特徴は、スープで炊くところです。『華味鶏』の店舗で提供される水炊きは、5時間かけてとったおいしいスープで炊いているそうです。河津氏は、多くのお店を食べ歩いて勉強しながら、自分なら水炊きをどうアレンジするか考えて発展させてきたそうです。

『華味鶏』の店舗では、すべてのお店に女将を置く、つまり、トップは女性であると伺って驚きました。単価が3000円~5000円くらいのお店は、お客様に対しておもてなしの心がないと成り立たない。また、お客様は、喜んで帰ってくれないとまた来てくれない。という考えから、女性は、気づく目線が違うため、各店舗に女将を置き、「お客様とのつながりを大切にし、笑顔で帰ってくれているか。常に気にかけるように。」と伝えているそうです。

大量に発生する鶏糞は、会社で大きな問題になっているそうです。そこで着目したのが、日本の海の貧栄養化を解決するために、海に入れても大丈夫な鶏糞処理法を開発して海に入れ、海の富栄養化を目指す取り組みだそうです。その海で育てた、砂が入っていない、ぷりぷりしたあさりの養殖に着手し、『華あさり』というブランドあさりの販売を目指している!と、とても面白いお話を聞かせていただきました。

河津氏は、幼いころからお父様が鶏肉販売の商売をされており、小学校6年生の時には、すでに「後継ぎになる」と、現実の目標が定まっていたそうです。
ここまで来るのに、たくさんの失敗をしてきたけれど、「何とかなるばい」で乗り越えてきた。と仰っていたのが印象的でした。
例えば、コロナ禍では、すべてのお店を休業した。また、ミャンマーに新しくオープンしたお店は、2か月半後にクーデターにより閉店することになった。など、数えきれない苦難に直面してきたけれども、「人間万事塞翁が馬」という言葉の通り、失敗が成功につながることがあると仰っていました。その裏には、一人一人の社員がひたむきに努力し、頑張ってくれたからこそ失敗を上回る成功があり、また、挑戦を支えてくれた多くの仲間たちによって助けられた。人との出会いがとても大事である。と仰っていました。そして、ただ一つ言えることは、挑戦しなければ、失敗もしないので、自分が思ったことには挑戦してみることが大事である。とも教えていただきました。

こちらは、2023年3月に販売された書籍で、学生や教員全員にプレゼントしていただきました。本日伺った内容も詳しく書かれており、涙あり、笑いありのとても楽しい内容でした。

福岡を代表する「食のプロフェッショナル」企業の代表者講演会を開催