香蘭女子短期大学

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令和5年度環境委託事業・メルカリ・Spinns他コラボ企画について

1. はじめに
香蘭女子短期大学では、広く社会とつながり、実践的な学びの機会を提供しています。ここでは、昨年度環境省から委託を受け実施した「令和5年度使用済衣類回収のシステム構築に関するモデル実証事業(以下、環境省委託事業)」についてお話します。
  この事業を始めるきっかけは、令和4年度にたまたまお会いした株式会社メルカリ(以下、メルカリ)のAさんと株式会社ヒューマンフォーラム(以下、Spinns)のMさんと意気投合し、何か面白いことができないかと色々とお話をしたことにまで遡ります。その中で、私が指導をしてきたKoran Girlsの活動と、令和4年度にメルカリさんが全国の高校や短大と取り組んだこと、そしてSpinnsのMさんが高校生と一緒にやっている活動を合わせてみると、色んなことができそうだということになりました。
  話し合う中で、予算をどう工面するかという話になり、メルカリのAさんから今回申請した環境省の事業を教えてもらい、香蘭とメルカリ、Spinnsがメインとなり、ここに那珂川市にも参加してもらい、古着の回収と販売を行うことになりました。ただ古着の回収と販売をするだけでは面白くないので、香蘭の中のファッション総合学科の学生と先生にも協力してもらい、古着のリメイクとファッションショーもやってみようという話になり、最終的には、天神のパルコで古着のファッションショーをメインとしたイベントをすることになり、そこにインフルエンサーとしてYoutubuやTikTok、ファッション誌のモデルなどでも活躍されている「さくら」さんに参加してもらいました。
  上記を読んで分かる通り、何かを始めるには必ず紆余曲折がありますし、計画した通り一直線に物事は進みません。でも、そうしたことを学生時代に経験し、色んな人に出会い、社会から認められる活動をすることは大変意義があることではないかと考えています。高校生の皆さんの今後の進路を決めるときの一つのきっかけになればと思い、これから実施してきたことなどを含め、ご報告したいと思います。

2. 実施内容

今回、環境省委託事業で実施した内容は、上記の5つになります。一番大きなイベントは、①で、福岡市中央区の天神パルコという商業施設の中で前述のさくらさんをお招きしたイベントです。100名近い方が来場してくださり、当日は大盛況でした。当日の様子が下記の写真でもおわかりいただけるかと思いますが、前半に古着のファッションショー、後半にさくらさんを交えてのトークショーを行いました。学生たちは、イベントの前と後で来場者にアンケートを取ったり、古着を販売したりと大忙しでしたが、商品のディスプレイの仕方、来場者への声掛け、イベントを滞りなく進めていくことについて、大きな学びがあったと思います。

注)学生たちは、今回のイベント名を「UNI.(ユニ)」と決めたり、ユニコーンをモチーフとした図柄を検討したりしました。

3. 成果
  ただこうしたイベントを漫然としたわけではありません。環境省から資金援助を得ていますので、しっかりとアンケートを集計して分析したり、古着が如何に環境問題に繋がり、この活動が環境へ良い影響を与えるかについて、検討を行いました。
  例えば、3回のイベントを通して集計したアンケート全体では、洋服の手放し方に困った経験のある方が、全体の6割いらっしゃったこと、洋服を手放すきっかけとしては、着る機会が少ない、サイズが合わない、といったところが1,2位だったことが分かりました。また、手放す期間については、1~3年が一番多く、古着について、フリマアプリなどを使った経験者は、3~4割程度。古着を手放す時に、古着屋さんやフリマアプリの利用を考えている人は、7割位上ということがわかりました。
 上記以外にも、メルカリShopsを開設し、実際に古着を販売しました。お買い上げ頂いたお客様からは大変好意的な感想が寄せられた反面、色んな課題も見つかりました。実際に学生自身が行った結果、長期の休みなどもあり、継続的に販売するのは難しい、学生自身のモチベーションを維持するのが大変である、商品配送時のトラブルなどこちらが関与しづらい問題について、Web上で対応を行うことの難しさ、が課題として判明しました。
 しかし、実際にやってみたからこそ分かったことが大半で、頭の中で考えるだけで得られることは少なく、社会と実際に向き合ったとき初めて得られる経験というのは大変貴重だと思いました。下記がメルカリShops「UNI.」の利用者の方からの感想です。

4. 学生たちの感想
  上記のようなイベントを数多く経験した学生たちの感想を一部抜粋します。

  ・メルカリShopsのメンバー10人をまとめることに最初は難しさを感じましたが、一人ひとりの役割を決めて指示をしたり、みんなに協力依頼したりしたことで出品準備や発送をスムーズに行うことができました。まだリーダーをするのは怖いという気持ちがありますが、メルカリShopsの経験でリーダーを務めたことで、役割に責任を持って行動したと自信をもって言えます。

  ・SPINNSとメルカリのコラボでは自身が接客業をしたいこともあり少しですが販売の経験ができたし、服を売る会場のレイアウトも実際にSPINNSの方から教わることができたのでとてもいい経験になりました。

  ・メルカリさんとスピンズさんのコラボでは、情報を交換しながら古着を選び、良い売り場作りをめざす中で、自分の意見を発言する場面も多くあり、積極的に自分の意見を言うよう常に心がけていた。そして、配信に出演しインタビューを受けるということは、前に立ち発言することが苦手だった高校時代の自分だったらできていないと思うので、とても成長できたと感じた。

5. 今後の予定
  令和5年度の環境省委託事業も最終報告書を提示したことで無事終了しました。現在は、Koran Girlsも代替わりをし、この環境省委託事業の継続としては、現在、福岡県糸島市内の前原商店街にあります「めぐるラボいとしま」という店舗をメインに、Spinnsの方と一緒に活動を行っています。主な活動内容としては、これから前原商店街をどのようにみんなに知ってもらえるか、という観点から、パンフレットの作成、SNSでの配信、イベントの実施などを検討しています。今年の秋ー冬にはまた新しい報告ができると思いますので、楽しみにしていただけると大変嬉しく思います。

最終報告書(更新案)240229.pdf

令和5年度環境委託事業・メルカリ・Spinns他コラボ企画について