香蘭女子短期大学

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食物栄養学科

現場で臨機応変に対応していくフードコーディネーターの仕事

NHK朝ドラ 連続テレビ小説「おむすび」。平成生まれのヒロインが、栄養士として、人の心と未来を結んでいく“平成青春グラフティ”です。 番組に出てくるお料理を担当されているのは、ごちそうプロデューサーの広里貴子さん。広里貴子さんは、2013年の「ごちそうさん」で料理指導を担当して以降、13本の朝ドラの料理を担当され、他にもフードコーディネーターとして多くの仕事に携わっておられます。そして、香蘭女子短期大学食物栄養学科2023年度卒業生の野原幸花さんは、現在、広里貴子さんのアシスタントとして尽力し、日々研鑽されています! 今回は、野原幸花さんにフードコーディネーターの仕事について詳しくお話を伺いました。

Q1.フードコーディネーターの仕事はどんな仕事ですか?

食に関する知識を利用して、調理、テーブルコーディネート、メニュー開発等をする仕事です。
私が携わらせてもらった仕事は現場によって内容は様々です。入社してからの数ヶ月間、お料理番組やドラマ撮影、情報番組の撮影など沢山の現場を経験させて頂きましたが同じ内容はほとんどありません。
例えばお料理番組では、食材の発注から、材料や調味料の計量、料理に合わせて器やカトラリー、ランチョンマットを選び、料理がより美味しそうに見えるように工夫をします。ドラマの現場では、食事(現場では消え物と言われます)を作るだけでなく、食事にからむ空間作りも料理チームとして携わっています。他にも細かい作業が沢山ありますが、撮影をスムーズに進めるためにその場で起こった事や求められている事に臨機応変に対応していきます。

Q2.栄養士の資格をとって現在役に立っていることはありますか?

料理番組やレシピ開発の時にカロリー計算をしないといけなかったり、学校で学んだことが活かされています。
現在放送中の朝ドラ”おむすび”の現場では、特に栄養士のドラマという事で、食物栄養学科で学んできた事や経験してきたことが凄く役に立っています。
ドラマの設定に合わせて献立を立てなければならない時は、実際に学生時代調理の授業で使っていた教科書と睨めっこしながら沢山考えました!また、調理実習や大量調理などを経験し、栄養士の資格を持っているからこそ、こういう時はこうでは無いかな?など色々な想像がつきやすいので、現場でもこれまでの栄養士の勉強、経験がすごく役に立ちました。
大変なことも多いですが、私も香蘭の食物栄養学科を卒業し、おむすびの舞台でもある福岡から大阪に来て、朝ドラの現場に携わらせて頂いたので、知識経験はまだまだ及びませんが、これから栄養士の夢を志し、成長していく過程の主人公の結ちゃんに近い感覚をもって現場に携われたことが凄く嬉しく、ワクワクしています!

Q3.仕事の中で大変なことはありますか?

撮影の際は作業が円滑に進むようにどのようにしたら良いのかを常に考えながら作業をしています。○時〜、試食を○食分出さないといけないというお仕事の際は、その時間に出来立ての状態で美味しく食べてもらうためにどうしたら良いかを逆算して考えます。調理に大体どのくらいの時間がかかるのかを考え、何時から準備を始めて、仕上げ始めるかなど全て逆算して考えなくてはいけないのですごく大変です!
生放送などの場合は特に少しでも遅れてしまうと、その分現場で出演者さんやスタッフさんに迷惑をかけてしまうのでそのようなことが絶対にないように時間配分を細かく考える事はすごく大切でそれが1番大変でした。

Q4.仕事の中で楽しいことややりがいはなんですか?

現場のスタッフさんや演者さんに「ご馳走様でした!」や、「美味しかったです!」と声をかけていただけた時に1番やりがいを感じます!
ドラマでは、撮影で並べる料理を作るまでに、試作を重ねて作った料理や、朝早くから準備して時間をかけて作っているものも多くあるのでその度に頑張って良かった!っと思います。
また、皆さん共通して笑顔で声をかけてくださるので凄く嬉しい気持ちになり、その瞬間本当にお料理のパワーって凄いな、素敵だなと実感します!

Q5.朝ドラおむすびの現場で働いてみての学び

料理チームに入って1番驚いた事は、料理指導の広里さんをはじめ他の先輩アシスタントの方々の役者さんに対する細かい心遣いです。
現場で料理を並べる時は、出来るだけ温かく出来立てを食べてもらうためにギリギリまで温めを行ったり、そのうえ火傷などが無いように調節したり、演技やメイクに支障が出る可能性のある食材は役者さんに合わせて避けたり、もちろん現場で変わる事もあるのでその都度役者さんの意見をしっかりと聞きすぐに反映する所が本当に勉強になっています。
また「おむすび」では、食材や調味料までも、できる限りその土地のものを取り入れた献立作りをしていてとても感動しました。
画面上ではどこの醤油、どこの野菜を使ってもハッキリと分かる訳ではないですが、より役者さんが演技に入りやすいように一つ一つにこだわりを持って料理が作られていることにこれまで画面の外で見る側だった私は学びでしかありませんでした。
素晴らしい現場に携わらせて頂けて凄く感謝ですし、とても勉強になる毎日を過ごしています!

Q6 在校生、これから入学を考えているひとへ一言

“食”は私たちに欠かせないものであり、人を笑顔にできるものでもあると思っています。
美味しいものを食べるとみんな自然と笑顔になったり、元気になったり”食”には素晴らしいパワーがあるなと、この仕事をしていて感じる場面がたくさんあります!
また、その中で栄養バランスを考えたり、食に対する知識を身につけておくことは、身の回りの人たちの健康を守ることができ、人生を豊かにするために役立つとても大切なことだと感じています。
是非、食物栄養学科での学びを大切にして下さい!栄養士の活躍の場は沢山あり、とても強みになる資格です!
沢山のことにチャレンジして、皆さんがそれぞれの形で栄養士を活かしていってほしいなと思います!!
最後に、香蘭で出会った友人や先生方との楽しい時間は、あっという間に過ぎていきます。
だからこそ1日1日を大切に、短大生活を思いっきり楽しんで下さい!応援しています。

現場で臨機応変に対応していくフードコーディネーターの仕事