KORAN VOICE
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デザイナーの極意、教えます!
アパレルで企画というのは、作る前段階でどういう風にデザインをしていくか、どういうイメージで服を作っていくかを上司にプレゼンするものです。いい服って理論と感性を融合させないとできないんです。企業デザイナーの場合は、自分の感性よりも分析能力やリサーチ能力、なぜ、この服を作りたいのかを、理論や社会背景、プロセスを筋道立てて説明する能力が必要なので、授業ではプレゼン資料の作り方などを中心に教えています。
そういうことを組み立てられる能力がないと、僕の経験上、雑誌の切り抜きに走っちゃうんですよね。売れてるものを生地やパーツだけ変えて作るというのが今多いので、それだと味気ないし、生み出す楽しみを知ってもらいたい。だからこそ企画の本質は大事だし、ファッションを学ぶ意味はそこにあります。
アパレルの企画は日本の企業が一番優れていると個人的には思います。日本の場合は様々な衣服のジャンルがあり、購入する消費者ニーズに合わせてデザインしなければなりません。また、上司を説得しないと作らせてもらえないことが多いので、説得するための準備と、それを裏付けるための知識や教養が不可欠です。短大には教養の授業もあるので、学生たちはしっかりと筋道を立てて企画を立てる力をつけています。
飛躍しています。ファッション総合学科の教え子たち
作る授業では、センスがあるけど縫いが下手な人とか、そんなに冒険はしないけど縫いは極めたい人とか、学生それぞれ特長や個性が全然違うんです。なので、いち早く個性を知り、その学生に合わせた指導を心がけています。自分の中でいろんな先生キャラを使い分けてる感じです。
香蘭の学生は真面目で明るい。特にファッション総合学科はイベントが多いので、みんなで盛り上がれる学科だと思います。
今年、教員として香蘭に戻ってきてくれた卒業生がいて、ずっと成長を見てきたので今後の活躍も楽しみです。それと、香蘭で初めて、「装苑賞(※)」というデザイナーの登竜門のような日本で最高峰のファッションコンペに選ばれた学生もいます。僕もずっとコンペをやっていたので、いつかそんな学生を育てたいという夢が叶って本当にうれしいです。
学んで損なし!人生を楽しくするファッション
ファッションを学んだらファッション業界に必ず就職しないといけないのではという不安がある方も多いと思います。短大のメリットは教養の授業もあるので、ファッションを通して人間力や社会人基礎力をしっかり養えることです。毎年ファッション業界ではない一般職に進む人もいるので、入学してから自分に合った職種を探せばいいと思います。
ファッションはおもしろい。ファッションで仕事ができると、さらにおもしろいです。ファッションに少しでも興味があったら、ぜひ学んでほしい。学んで損はないです。
「人生楽しくなるよ」
僕はそう思います。
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【ファッションはおもしろい。ファッションで仕事ができると、さらにおもしろい。 Vol.1を見る】
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※1.装苑賞とは、『JUNKO KOSHINO』コシノジュンコさん、『KENZO』の髙田賢三さん、『ヨウジヤマモト』の山本耀司さんなどの超有名デザイナーが受賞された名誉ある賞です。
※2. 2020年10月12日 本学学生の岡本尚美さんが『装苑賞』を受賞
※3.【速報】第94回装苑賞は、岡本尚美さんが受賞!作品テーマは「四次元の可視化」(『装苑』ホームページより)
※4.第94回装苑賞 公開審査会(『装苑』公式YouTubeアカウントより)
ファッション総合学科 講師
尾畑 圭祐
◎担当科目
「アパレル企画演習」「ファッションデザイン演習」「ファッション造形実習」
◎プロフィール
福岡市出身。アメリカの芸術短大、東京の文化服装学院でファッションを勉強。ユナイテッドアローズなどでデザイナーを務めた。博多織の学校を卒業後は帯を織るなど作家活動もしていた。