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生き方が一変!旅に開眼したインドネシア研修
大学でインドネシア語を専攻していました。バリ島の音楽や芸術が好きだったので興味を持ちました。2年生の時に現地研修でインドネシアに行き、ホームステイしたご家庭がイスラム教徒で、食べ物は手で口に運び、お祈りは毎日5回あったりして、日本とは全然生活環境が違いました。
私は高校の時から冷めた学生で、授業もほとんど寝ていて、大学1、2年もそのまま過ごしていました。でも、インドネシアでできた友達が、日本に比べればまだまだ貧しい環境にあるのに「毎日が楽しい」とすごく笑顔で暮らしていて、自分は冷めたまま何もやらずに過ごしていていいのかと反省しました。それが大きな転機になって、その後はサークルに入り、なんでも積極的にかかわるようになりました。
こうやって180度ものの見方が変わる。これってすごくおもしろいなと思いました。自分が経験したことを他の人にも経験してもらいたくて、観光業の道に進み、大学を卒業してから約26年間、旅行業とホテル業の2つの仕事を経験しました。旅行会社では団体旅行の営業を中心に行い、お客様へ旅行の企画提案、そして手配、添乗の仕事も経験してきました。ホテルではフロントなどの宿泊部門、レストランの料理部門、宴会や婚礼の宴会部門、最後には営業も経験しました。
旅行会社はお客様を送る側、ホテルは受け入れる側ですが、どちらも楽しかったです。旅行会社ではお客様がどういう希望を持って旅行に出るのかを常に聞いていたので、ホテルでもそれが思い描きやすく、サービスを提供することにやりがいを感じていました。
多様性あふれる香蘭で観光業の魅力を伝授します
旅行会社で働いていたとき、教育旅行に長年携わっていました。高校生の修学旅行や研修旅行、留学などを主に取り扱う仕事です。海外留学する場合は入念な準備が必要で、学校に出向いて事前学習を頻繁にやっていました。学生が事前学習で学んだことを海外で活かして、大きく成長して帰ってくることがすごくうれしくて、旅行会社で培った専門的な知識や経験を活かして、今度は教員の立場で人材育成にかかわりたいと思い、教員の道を選びました。
もともと旅行会社時代に香蘭に海外研修の営業をしたことがあって、いろんな活動をしている短大だという印象を持っていました。香蘭の学生、特にライフプランニング総合学科の学生は、7つのメジャー(専攻)があっていろんなことに興味を持って入学しているので、服装だけを見ても1人1人が全然違います。多様性を持った学生が多い学校だなと感じています。
福岡を日本一の観光地に!学生とかなえたい大きな夢
教員として心がけていることが3つあります。「目指すゴールを見せること」「学ぶワクワク感を共有すること」「自ら動くことを待つこと」です。
とかく今の若い人たちは、小さく収まろうとします。もっと上を目指せるのに一歩踏み出そうとしないのです。だから、大きな目標をこうしたら、叶えられるということを可視化するようにしています。また、学ぶ楽しさを感じられるような授業を行えるように心がけています。そして、言われてやることはつまらないので、学生たちが自ら考えて、行動に移せるような後押しをするようにしています。
私は大きな夢を持っています。福岡を日本一「訪れてよかった」と思ってもらえる観光地にしていくことです。国内、海外のどちらからもたくさんのお客様に来てもらいたい。かなり壮大なことですが、学生と一緒に地域活性化につながる取り組みに挑戦し、観光産業に携わるすべての人が一丸となって“福岡”の街を盛り上げていけるようなプロジェクトを起こしていきたいと思っています。
そのためには、たくさんの方々のご協力が必要ですが、協力してくれるメンバーのなかに、本学の卒業生が関わってくれていたら、うれしいなと思います。そのために観光産業で活躍できる人材を多く育てていきたいと思っています。
【観光立国”日本をけん引できる人材を多く育てていきたい。 Vol.2を見る】
ライフプランニング総合学科 講師
井野 智一郎
◎担当科目
「ホテルビジネス概論/実務」「観光デザイン入門」「ホスピタリティ検定2級対策講座」
◎プロフィール
千葉県出身。大学でインドネシア語を専攻し、現地研修でインドネシアに行ったことをきっかけに、卒業旅行はタイやマレーシアなど東南アジアを周遊。大学卒業後、旅行会社とホテルで26年間勤務。